現状を知らない人は、メディアなどで自立出来た人だけを見て、もう大丈夫だろうと思っているようだが、立ち直れない人がまだまだ多くいる。

<被災者格差>
行政は、「仮設住宅避難者」に対しては毎日調査をおこなっており、手厚い支援が受けられているが、約8000世帯ある「在宅避難者」の調査は実施されていない。
行政に働きかけても対応が悪い。

チーム王冠は、50名で「在宅避難者」1000軒の水質調査おこなった結果、26%が砂や泥で飲めない水だった。

扉や窓が割れたまま、冬を越してきた「在宅避難者」も多い。東北は寒く、一部屋に一台ストーブが当たり前だが、現在は十分に暖房器具もない。幸運にストーブがある世帯は、全員一部屋に集まり暮らしている。
石巻の業者だけで全てを修繕するには30年かかるという。他県の協力業者は多数いるが、交通費と滞在費で、日当は通常の倍の費用がかかる。
修繕費は政府で150万円だけ保障してくれるが、全部は修繕できない。お金が足りない。

「仮設住宅避難者」へ支給される「赤十字6点セット」「仮設生活スターターキット」は、「在宅避難者」へは支給されず、支援を受けられない人はヘドロの中から使える物を探して生活している。

住宅の一部損壊では支援が無い。
半損以上でなければ、学校で新しい鉛筆、ノート等の物品支援、遠足、旅行などの支援がない。子供達の間で差別やいじめが生まれている。

食料は放射能が気になるが、やむを得ず食べている。

高齢者には薬や訪問医療が必要。

<現地での仕事>
漁業:“魚の街”石巻に70社あった会社が現在の稼動は2社。再開予定は10社あるが、雇用は5分の1程度しか戻せない。失業保険は4月からは何も無くなる。

農業:田畑はガラス、木っ端、プラスチックなどまだ瓦礫だらけ。
農水省は、日当12,000円で農民に瓦礫撤去を依頼しているが、この仕
事は4月で終わり、収入の道も途絶える。
土は使えない。コンバインや重機は津波で流されたか、塩水でダメになった。
農業は、補助や施策がない。(漁業はあり)

支援の手は足りていない。当初360あった支援団体が、現在は80(仮設支援60グループ、在宅支援5グループ)となった。活動休止グループも多い。資金繰りも困っている。

(いま、現地で一番必要なもの)
お金
マンパワー(瓦礫撤去や調査活動など)
布団(水につかり、泥であらえない。凍えて目がさめる)
飲料水(水道水は飲めない)