戦士と語る Vol 9

元東洋太平洋バンタム級チャンピオン
新田 渉世

Photo By 山口裕朗
WBA世界ミニマム級チャンピオン 星野敬太郎




皆様、新年明けましておめでとうございます!!
本年もよろしくお願い致します。
トークコーディネ―ター打越昌弘(ウッチー)、フォトグラファー修行中の山口、そして21世紀の飛躍が期待される(?)スポーツライター新田渉世(しょーちゃん)の3人は、今年もますます熱く激しく戦士達と語っていくつもりです。

今回は新世紀第1弾にふさわしく、昨年12月6日にWBA世界ミニマム級チャンピオンとなった星野敬太郎さんに語ってもらいました。

前回の“戦士” ワタナベジムトレーナー飯田裕さんから紹介された星野さんは、12年間の紆余曲折を経て世界の頂点を極めた、いぶし銀のテクニシャン・・・。“31歳初戴冠”“黒星デビューからの頂点到達”“元世界王者のジムから世界奪取”という史上初づくしの劇的なタイトル奪取でした。取材やテレビ出演などの忙しいスケジュールの合間をぬって、我々につき合っていただいた以上、他では見られないナマのチャンピオン(略してナマチャン)をさらけ出していただきます。

星野さんが勤務するトンカツ屋「さくらい」に向かった我々は、横浜の京浜急行上大岡駅に到着。山口が通行人に「世界チャンピオンがいるとんかつ屋はどっちですか?」と尋ねるとすぐに教えてくれました(いや〜、さすがに時の人)。

店に入ると、世界チャンピオンはなんと食器洗いをしていました。「すいませーん。ちょっと座って待っててもらえますか!」予約席の札が置かれたテーブルに案内され、「よかったらこれでも見ててください」とわたされた重厚なケースを開けてみると、それはキラキラと輝く荘厳なチャンピオンベルトでした。「おー、ダイヤがついてる!本物かな?いくら位すんのかな?おー、これ結構重いぜ」と、ほとんどミーハー状態。

待っている間、替わりに「さくらい」の社長であり、星野さんの後援会長でもある堀内強美(つよみ)さんが3人の相手をしてくれました。お店は忙しそうなのに、ニコニコしながら嬉しそーに、いつまでもいつまでも話をしてくれました。名物となった“チャンピオン丼”をいただきながら、3人はとてもゴキゲンでした。

星野さんはこのとんかつ屋の料理長。朝10時から午後6時までの勤務で水曜、日曜はオフ。しかし午後6時以降でも、お店が忙しい時は残業してからジムへ向かい、オフでもお店の様子を見に、ついつい手伝いに来てしまうらしいのです。世界戦の翌日から出勤したことについて「オレはしばらく休めって言ったのに、ヤツが来るって聞かねえんだ」と堀内社長。タイトルマッチ翌日から半額セールの“チャンピオン丼”は2日で1000食出たというから驚きです。

今日もオフだというのに、いろいろ手伝ってしまう星野さん。通常の仕事に加えて、サインや写真撮影のサービスがようやくひと段落しすると、いよいよ我々とのトークが始まりました。 

「いい名前ですねえ。」―姓名判断師でもあるウッチーは、星野さんから手渡された名刺を見るなりうなり声をあげました。「この名前は周囲の人間に恵まれる運勢の持ち主なんですよ。」―すると「ええ、当たってると思います。」と星野さんは、バンダナがあまり似合っていない(スイマセン)店長を見つめました。星野さんにとって堀内社長は、とても大事な存在なんだなあと感じられました。日本タイトルを返上して一度引退宣言をした時も、この店長のようになりたいという思いから、トンカツ屋の道を志していたらしいのです。

「尊敬はしてますけど性格は嫌いなんですヨ。」笑いながら本人に面と向かって言えてしまう間柄は、お互いの信頼関係から成り立っていることが想像に難しくありませ
ん。

星野さんは、師である花形会長ともそういう関係を築いているように感じられます。“友達のような師弟関係”―そりゃあ賛否両論あるでしょうけど、実際に結果を出したのだから誰も文句言えませんよね。それに星野さんの言葉の端々に、堀内社長や花形会長を尊敬している気持ちが十分感じられますもん。

ところで31歳の世界チャンプ、結婚はまだなのでしょうか?「幼稚園の先生をしている22歳の人と来年結婚する予定です。」―「何っ?22歳!そりゃ犯罪だ。」3人は一斉に非難の声をあげました。

「しょーちゃん、今回の『戦士と語る』の書き出しは『世界チャンプはロリコンだった―』でいきましょう!」ウッチーがすかさず提案をぶち上げました。

もう遠慮はしません。ナマチャン(ナマのチャンピオン)をさらけ出してもらうことにします。

「だいたい星野さんは、どんなタイプが好みなんですかねえ?」―だんだんトークコーディネーターの調子も上がってきました。「あのコがボクのタイプなんですよ。」アルバイトの女の子(19歳)に手を振ってニヤニヤしているこのオヤジ、やはりロリコンかもしれん。と思ったら「でも西川峰子も好きなんですよ!」・・・これに対しウッチーは「いや、やっぱり高橋恵子でしょ!!」すると山口がボソッと「ボクは風吹ジュンがいいですね―。」

「いつかは引退する日が来ると思うけど、将来は何をしたいですか?」
「やっぱり好きだからこういう仕事(料理関係)がやりたいです。それか、うまくいけばトカチャンJr(タレント活動)も興味ありますね。」
「ボクシングとは、どんな風に関わっていきたいと思っています?」
「自分の仕事で成功して金銭的にゆとりが持てたら、プロモーターのライセンスをとって、興行に関わる形でボクシング界に貢献してゆきたいと思ってます。」

“ナマチャン”をさらけ出してもらったつもりですが、結局星野さんの人柄は人から愛され、信頼され、ちょっとロリコンだけど西川峰子も好きという感じですかね。それと世界チャンピオンになっても変わらない謙虚さと、どんな仕事に対しても変わらない一生懸命さかな。んー、誉めすぎかな・・・。

話が盛りあがっていたところ、WBC世界Sフライ級チャンピオンの徳山昌守がこのトンカツ屋に今向かっているという電話が入ってきました。ファミリーで星野さんを訪ねて来るとのことでした。世界チャンピオンが2人同時に揃うのもめずらしいので、我々も少し待たせてもらうことなりました。

トンカツ「さくらい」に到着した徳山と挨拶をかわし、今回の「戦士と語る」を締めくくりました。新年早々、2人の世界チャンピオンと出会えたことは、今年の飛躍を暗示していると思いません?

次回は星野さんの師匠で元世界フライ級チャンピオンの花形進さん(MI花形ジム会長)の予定です。ご期待下さい。

※ 特報
我らのウッチーが、勤務する漢方製薬会社で、2000年度営業成績年間MVPに選ばれました!!
「いやあ、こんなのボクシングに比べたら全然大した事ないですよ。そんな騒がないでくださいよ。」
「ボクシングやってた人間は違うんだ」ということを現実に証明したウッチーをしょーちゃんはとても誇りに思ったのでした。


 



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