ひとが一番輝く季節を、共に生きることができる・・・それが今のオレの喜び―
肌寒い夜の国道でそう語った瞬間、戦いで傷ついたはずの彼の瞳は“戦士”の輝きを甦らせた。
最近「戦士と語る」の読者も増えてきている様子で、いろいろな人から「見てるよ!」と声をかけていただくことが多くなりました。しかし、特にボクシングファンではない友人達からは「なんか“しょうちゃん”とかいうヤツが、毎回居酒屋で酒飲んで喜んでるだけ・・・って感じにしか見えねえナ」と言われております。
―その通りです。それこそ「戦士と語る」の真髄、究極の哲学なのです?!
母・鈴子さんのお腹から1970年の“春”(4月)に誕生した北澤鈴春―30歳。北澤ボクシングジム会長。1987年、17歳で花形ジムよりプロデビュー。1992年、日本スーパーフライ級タイトル獲得後、網膜はく離のため引退。あの鬼塚勝也との好ファイト(惜しくもKOで敗れたが)は印象深い。
前回Vol.10の花形会長からの紹介で、東急東横線の新丸子駅に近い北澤ジムを訪れたのは、いつもの3人“トークコーディネーター”ウッチー、“フォトグラファー(修行中)”山口、そして世界を舞台に活躍する(予定)のしょーちゃん。ジムに到着し、事務室にお邪魔するや否や、北澤さんは3人にコーヒーを立てて入れてくれるではありませんか。(ん?このうしろ姿、どこかで見たことあるぞ)−そう
です。前回お邪魔した花形ジムで、花形会長が我々3人に同じようにコーヒーを入れてくださった時の後姿にそっくりだったのです。
S「立てたコーヒーで客をもてなすのは、花形一門の伝統なんですか?」
K「まあ、そういうわけではないんですけど・・・。でも豆はうちの方がいいの使ってるから、あっちよりうまいはずですよ。」
S「うーん、確かにそうかも知れない。」(花形会長ゴメンナサイ)
S「ところで今体重どれくらいですか?」精一杯気を使って尋ねると、
K「56Kgですかねえ」
S「え??? ほとんど現役の時と変わってないんですか?」
K「だったらいいんですけど・・・72Kg位ですね。」
一瞬56Kgというのを信じかけてしまったが、やはりどう見ても“使用後”ボクサーの体型ですね、あれは。
お酒は体質的に受け付けない、という北澤さんに案内してもらったのはジムのすぐ近くにある焼肉屋さん。でもやっぱり我々3人は飲んでしまいました。「戦士と語る」から「戦士と飲む」にタイトル変更した方がいいかも知れません。
北澤さんの左眼は、網膜はく離のためにほとんど視力がないらしい。チャンピオンになり、網膜はく離になって引退。スポンサーの支援でジム開設。すべてが1992年のなかで起こった出来事。きっとそういう運勢というか、星回りというか、そんな感じの年だったんでしょう。これからの夢は、師匠の花形会長と同じくラスベガス進出。実現のためには、やはり強い選手が必要となってくる。かといって花形ジム同様、基本的に選手に対しては放任主義。今は良い環境作りにパワーを注いでいる。ジムでアパートを借り上げ、選手の経済的負担を軽減し、ボクシングに専念できる環境を整えてゆく予定とのことです。また体温、血圧等を常にチェックし、スパーリングによる事故を未然に防ぐ努力も徹底しています。“来る者は拒まず、去る者は追わず”が信条の花形会長とやはり師弟なんだなあ、と感じました。
そこでウッチー、最近何かあったんでしょうか。
U「そうなんだよ。日本人は“型”に当てはめたがる人種なんだよ。オレはそういうの嫌いなんですよ!」
S「だから一緒にアメリカへ進出しようって、いつも言ってるじゃない!」
U「いや、それはちょっと遠慮しておきます。すぐにね、ホームシックになっちゃうんですよ。ハハ・・・」―
120〜130人の練習生(うち女性約10人)。プロ選手10人。この大所帯の会長は、4月に初めてお父さんになる予定です。おめでとうございます。
北澤さんと話したのは初めてでしたが、とてもさわやかで誠実な青年(ちょっと薄めのヘアを除く)という印象でした。
実は、この北澤ジム、しょーちゃんの住居から割と近い所にあるので、今度汗を流しにお邪魔しますと調子のいい約束をして、“宴”を終えたのでした。
年が明けてから、しょーちゃんは現役時代の師匠、韓国の洪秀煥(元WBA世界バンタム・Sバンタム級チャンピオン)と連絡を取り合っています。
現在、ボクシングジムを運営している韓国の英雄は、息子デニーの活躍に期待しています。デニーは、洪さんが現役引退後移住していたロスアンゼルスで育ち、3年程前から父・洪秀煥とともに、韓国へもどってプロボクサーとして歩みだしています。デニーとは何度か話をしましたが、私のことを“アニキ”と慕ってくれるとても可愛いヤツなんです。異国の“戦士”ではありますが、どうか皆さん応援してやってください。
先日、写真を送ってもらいましたので、紹介いたします。デニーとモンゴル人ボクサー=ラクバ・シンの2ショットと、洪さんのジムでの写真です。なかなか貴重な写真だと思いますが、どうでしょう。これからもときどき、韓国情報、デニー情報を紹介してゆきたいと思います。
だんだん国際的になってきた「戦士と語る」をこれからもよろしくお願いします!!
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